茨城県小美玉市で世界基準の平屋の家が上棟しました

茨城県小美玉市で世界基準の平屋の家が上棟しました。

当社の建て方、上棟の流れは、2日間で雨が降っても大丈夫な状態にする施工体制で進めます。
今回は、天気が不安定だったため、上棟前日の準備を工夫することで、1日で、屋根下地工事、外周部のシート養生まで完了させてもらいました。
手際よく作業していただいた協力業者の皆様に感謝です。

本物件は、BELS評価においてUa値0.21、☆6つ(国が定める省エネ基準は☆1つ)、ネットゼロエネ評価の建物です。
再エネなしの削減率42%、再エネありの削減率112%なので、住宅省エネ2025キャンペーンのGX補助金(160万円)を申請予定です。

具体的に光熱費をシミュレーションすると、太陽光発電6.45Kwによる自己消費、売電を加味すると年間41,800円で生活できる計画(電気+プロパンガス)です。
冬は20℃、夏は25℃で全室過ごすという条件で計算しています。
本年4月より実施される義務基準の建物での生活と比較すると年間15万円、30年で450万円もの差額が生じることが予想されます。
今後の光熱費の単価上昇により、さらにその差額は大きくなることでしょう。

光熱費よりも大きな違いは、室内の空気感、快適度です。
温度ムラのない空間での生活は、ヒートショックの危険のない、免疫力アップ効果による健康な暮らしに直結します。
暖冷房機器や衣類、寝具などの生活必需品もシンプルになり、ライフスタイルも大きく変化することでしょう。

ライフスタイルを大きく変える力は、家の性能によるところが大きい。
その代表格である「パッシブハウス」という省エネ性能を追求することで達成できるものと考えています。

当社の断熱構成は、基礎断熱、壁は充填断熱(GW)+外貼り付加断熱(EPS)、屋根はブローイング(GW)。
熱橋と気密に関しては、当社独自の対策を施し、全棟気密測定を実施することでC値<0.5を保証しています。
昨今の実績は、C値<0.2(パッシブハウス必須項目)となっています。

基礎断熱に関して補足です。
基礎断熱といっても様々な工法がありますが、当社では、基礎丸ごと断熱しています。
シロアリが気になるところですが、対策として、発泡ガラスボードによる工法と防蟻剤入りEPSと蟻返し板金による工法があります。

本物件は、防蟻断熱材パフォームガードプラス100mmを使用。
ホウ酸入りの防蟻断熱材にジクロロメゾチアズという有機薬剤を配合することで、
更なる防蟻効果を期待できる防蟻断熱材に進化しています。

ちなみに、ジクロロメゾチアズは極めて高い殺虫性と伝播性でシロアリに対し優れた防蟻効果を発揮するもので、
毒や劇物には該当せず、防蟻性能の長期残効性に優れ、人体環境へも高い安全性が確認されているとのことです。
水に溶けやすいホウ酸の欠点を担保した商材となっています。

以前にも触れましたが、当社では、この性能の防蟻断熱材に加え、土壌改良の代わりに、
防蟻・防水・防湿シート(防蟻成分はシートから流出・揮発しない)を断熱材の下に敷き詰めることでさらなる防蟻対策にチャレンジしています。
また、防蟻処理されたEPS100mmを外貼りし、蟻返し板金という物理的なバリアを同時打ち込みすることで、
住まいながら、シロアリの侵入状況を目視点検できる工夫も実践しています。

こういった手間暇をかけるのは、基礎断熱は、気密や温熱の観点からは、床断熱よりも優位であると考えているからです。
一方でシロアリ対策の課題が付きまといますが、上記の防蟻対策により不安を解消したいと考えています。
これにより、床下空間は、真冬でも16℃~18℃を切ることはなく、室内の温度環境により、床が冷えることはありません。

これから、外壁部、屋根部の断熱・気密工事を進め、気密測定を経て、次の工程に進みます。
お客様からお預かりしている大切な建物、協力業者とともに丁寧に作業していきたいと思います。

お客様のご厚意で、断熱・耐震見学会を計画しています。5月11日(日)開催予定です。