パッシブハウス認定Plusを取得 「つくばパッシブハウス」
パッシブハウス認定Plus「つくばパッシブハウス」を取得しました。
2011年、茨城パッシブハウスで取得してから14年が経ちます。
この14年は、私にとって、とても大切な時間でした。お客様の様々な思いにこたえる工務店業としての体制づくり、コストと性能を両立する施工性の追求、省エネで快適性、メンテナンス性も担保でき、亜熱帯化した日本の環境に最適な換気・空調システムの構築・・・こういったことを一つ一つ積み重ね、その集大成として認定を目指したのが「つくばパッシブハウス」でした。
これまでを少し振り返ってみます。
材木屋出身の私の家づくりは、素材にこだわり、適材適所、自然素材を見極め、大工さんの手刻みにこだわり、伝統的な木組みの技術を前面に押し出したものでした。このコンセプトでは、当社のブランド化が難しかったことから、当社の家づくりを見直す必要がありました。
そんな中、国交省国土技術政策総合研究所、独立行政法人建築研究所による研究の成果である「自立循環型住宅への設計ガイドライン」を学ぶ機会がありました。「エネルギー消費50%削減を目指す住宅設計」というサブタイトルは、とても新鮮で、エネルギーを計算する手法を学べることにとても魅力を感じました。
家庭部門の省エネルギー対策と健康増進、利便性・快適性の質的向上という二つの課題を同時に解決するために、より合理的な建築技術の確立と普及を目的にまとめられたものでした。2005年のことです。(2025年、まだまだ低い基準ではあるが、省エネ基準適合義務化がようやくスタート。ここまで来るのに20年もかかったのか・・・日本の住宅性能はヨーロッパから30年以上遅れているといわれる所以かな)
そこから、断熱・気密の勉強を始め、南雄三氏、野池政宏氏に師事し大まかな理解は得ることができました。ただ自分の目指すべき家づくりを考えたとき、自分の中で整理がつかない、しっくりこない、腑に落ちないことがたくさんあり、目指すべきものがハッキリと見えていませんでした。
そういった諸々のことを払拭してくれたのが「パッシブハウス」、森みわ氏との出会いでした。2009年。家の性能を定量化できること(エネルギーパス:建もの燃費)、家の性能や環境性をはかる「ものさし」を知ることで、一挙に雲が晴れた感覚がありました。
森みわ氏のコンサルのもと、私が建てた初めての高気密・高断熱住宅が「茨城パッシブハウス」。
中気密・高断熱なんて、今から考えるとあり得ないことを考えていた自分から、一挙に世界基準の超高気密・高断熱まで駆け上がってしまうことになったのです。あまりにも急激な環境の変化の中、自分に足りないものを感じるようになりました。
それは、当時トップを走ってこられた先輩方の苦労と失敗の積み重ねからにじみ出てくる「深み、重み」のようなものだったと思います。そのギャップを埋めるのに必要な14年でした。
これまで、「パッシブハウス」をトップグレードに、その一歩手前、二歩手前もご提案してきましたが、昨年より「パッシブハウス」一本に絞った家づくりを進めています。
先駆者から直に学び、設計し、造ってみて、住んでみて、やっぱり「パッシブハウス」が最高。そう確信しています。パッシブハウスという世界省エネ基準、省エネで快適な家づくりのメソッドをさらに追及すべく、本年、認定パッシブハウスデザイナーを目指し、精進したいと思っています。
「茨城パッシブハウス」「つくばパッシブハウス」、「水戸パッシブハウス」(認定申請予定)・・・次はどのエリアになるか・・・乞うご期待。