「家守り」の第一歩は建築計画

省エネ、快適、健康、環境保全、持続可能・・・様々な分野での共通のキーワードですね。

我々が携わる建築分野において、これらのキーワードを達成するためにはどうすればいいのでしょうか。
そのソリューションの一つが高気密・高断熱(躯体性能アップ)であることは多くの方々が認めるところであると思います。

躯体性能を上げていくためには初期コストがかかりますが、暮らしの中でのランニングコストを小さくすることができます。
健康にも直結し、医療費削にもつながることは検証されているところです。

合わせて、高性能な建物の寿命を延ばすことが、資源の有効活用(環境保全)や持続可能な社会インフラとして、とても有効であると思います。
かつての住宅産業のような、世代ごとに建て替えるスクラップ&ビルドではなく、質の良いものを何世代にもわたって住み継いでいくことが、最大の省エネでもあり、各世帯において最もローコストでもあると思います。
建築は資産形成であるという観点も大事ですね。

では、永く住み継ぐことのできる建築とは・・・どういったものでしょうか。
省エネ性(使わない創エネ)、快適性・健康(躯体性能の高さ)、耐震性(丈夫さ、安全)、防蟻・防腐(白アリ対策、結露対策)、維持管理性(メンテナンス性のよさ)、意匠性(格好がよい)などのポイントがあると思います。
この中でも、維持管理のしやすさを考慮した建築計画ができていないことが多いように感じます。

維持管理は建てた後のことではないのです。維持管理=「家守り」とすれば、その第一歩は、建築前の計画にあります。
言葉を変えると、「家守り」は、アフターメンテナンスの話ではなく、設計段階から、運用・点検・将来改修までを含めた時間軸を持った設計思想といえると思います。

昨年体験したことでいうと、エアコンの冷媒管の断熱欠損が原因で、結露が発生し、天井面をシミにしてしまった事例がありました。
結露の原因は特定できましたが、その部分の断熱補強をしようとしても、その作業スペースがなく、メンテナンスに苦労した経験をしました。
施工ミスをなくすことは最も大事なことですが、後天的な現象や、想定外の環境への配慮が足りなかったなと反省した次第です。

設備機器には寿命があり、その交換作業のしやすさも考慮しなければなりません。
その配置計画、躯体構造計画をもっと意識することが大切だと思いました。

そのためには、意匠や動線の設計、構造設計、設備設計という各分野の専門家がワンチームとなって計画していくことが肝要であるとあらためて感じています。

いばらきパッシブハウスの住まいづくり、これからも磨きをかけていきます。