いばらきパッシブハウス、空調をリニューアルしました。
地球温暖化の影響で日本各地30度を超えるエリアが増加し、その期間も長くなり、日本が亜熱帯化しているという指摘もあります。
このような状況の中、パッシブハウスのような躯体強化型の高性能な家における空調のあり方、特に冷房のあり方を模索しています。
いばらきパッシブハウスではその一つの解として、2011年より給気冷房の取組みをしてきました。
熱交換した新鮮な空気を、冷やしたラジエターBOXを通過させることで、温度を下げ、除湿をしてからダクトを通じて、各室に分配する仕組みです。
外部からの空気を大もとでしっかり除湿することで、効率よく室内の湿度を保つことができることがメリットの一つです。
いばらきパッシブハウスの給気冷暖房の仕組みは少しずつ形を変え進んできました。
冷暖房の熱源は、当初、温水暖房の設備を活用した冷水による空調でスタートしました。
空調としては成立しましたが、エネルギー需要が大きかったため、広く普及することは難しいと感じていました。
このエネルギー需要を解決すべく、森みわパッシブハウス・ジャパン代表理事の発案で、エアコンの仕組みを活用し、これまで2回熱交換した仕組みを1回にすることで大きくエネルギー需要を削減することに成功しました。
冷水による仕組みと比べ、半分のエネルギーで同様の効果を生むことができたのです。
いずれも、換気風量のみで家全体(いばらきパッシブハウスは延床130㎡)を空調できているのには感動するとともに、小さな風量(120~150㎥/h)でこそ実現できる除湿効率の高さが注目すべき点だと思っています。
ちなみにエアコンは400~600㎥/hという大きな風量で空調する仕組みです。
今回その造作ラジエターBOXをリニューアルしました。しっかりとメーカー保証の得られる形でご提案しているアメニティエアコンを搭載しました。当社ではこのスタイルでお客様に提供しております。
さらに給気の質を追求して、イオンクラスターによる空気清浄機能の実証実験もすることにしました。
いばらきパッシブハウスで採用した、Ventiのh-ionclusterは自然界の空気浄化の原理を再現した空気浄化技術です。
一般的な吸引式空気清浄機がVOCや粒径の小さなウイルスなどはフィルターを素通りするため除去することができないのに対し、Ventiのh-ionclusterはプラズマ技術を利用してイオンクラスターなどを発生させ、室内空気を浄化する放出式の空気清浄機となります。この機能をダクトに組み込みました。
国内及びヨーロッパなど約15か国での導入実績があり、新型コロナ感染対策・院内感染対策・VOC対策・滅菌・脱臭・施設内感染対策・園内感染対策等で病院・介護施設、学校・保育園、商業施設、公衆トイレ、ホテル、食品工場、実験・研究室など数々の施設で活用されている技術とのことです。
今後、実際にイオンクラスターが家中に配られているのかどうか測定予定です。