笠間市にてパッシブハウス級の平屋が上棟しました。
2022年12月、当社展示場でのパッシブハウス体感から家づくりが始まりました。
平屋、焼杉、白壁、軒の深い屋根などの外観イメージを持たれ、旦那様の趣味(ギター)のための音楽室(防音室)、ボルダリングに興味があり、それらの希望を叶えるべくプランニングが進められていきました。
家の躯体性能も予算の中でできるだけ高め、「建もの燃費ナビ」という温熱シミュレーションソフト上では、パッシブハウス性能に達しています。
パッシブハウス認定を目指すには、窓周りや土台・軒周りなどの熱橋による熱ロスを、詳細にシミュレーションし、PHPPというエクセルベースのエネルギー収支計算ツールにて1次エネルギー消費量や、年間暖房需要、冷房需要を評価することが必要です。(ドイツパッシブハウス研究所のよって1997年リリース)
「建もの燃費ナビ」について少し触れます。このソフトは、CADデータとPHPP(上述)を融合した、躯体性能を実情にかなり近い形で把握できるかなり優秀なソフトで、特に日本でのパッシブハウス草創期には大変活躍しました。
CADが苦手、英語が苦手な私にとって救世主となりました。
温熱シミュレーションとともに家の性能、光熱費などをお客様にわかりやすく定量的に説明できる、とても便利なプレゼンソフトでもあります。
今では、パッシブハウス・ジャパンの森みわ代表理事のご尽力により、PHPP日本語版が誕生し、より正確に躯体性能を数値化し、パッシブハウス認定申請にむけて、多くの設計事務所、工務店の強い味方となっています。
またスケッチアップとの融合で、かなり正確に日射取得状況をとらえることができるまでに進化しています。
こういったPHPPとCAD、スケッチアップとのコラボの動きは、日本初の発想で誕生した「建もの燃費ナビ」というソフトからの気づきによるところが大きいのではないかと思います。
PHPPをより身近に使いやすくするために施行錯誤した、PHJとCPU(建築CADソフト会社)との共同開発事業は画期的な試みであったこと、これは忘れてはいけない歴史的事実のように思います。
かなり変な方向に話が展開してしまいました。
本物件の話に戻したいと思います。
今回の仕様は木造軸組工法、ガルバニウム鋼板葺き 平屋建て 延べ床面積112.62㎡(34坪)。
剛床モノコック構造(許容応力度計算にて耐震等級3、耐風等級2)、
断熱性能はUA値0.19、樹脂窓はエクセル・シャノン トリプルガラス(ESクリアほか)、ユーロトレンドG 木製玄関ドア、第1種熱交換型換気システムによる換気、プレフィルターとしてトルネックス電子集塵システムの採用、ダイキンのアメニティエアコンによる全館空調システムという当社スタンダード仕様。
現況、床は土台大引きを28mm構造用合板で固め、屋根は登り梁を24mm構造用合板で固め、外周壁は透湿抵抗値の小さい耐力面材で固め、耐震性能を整えています。
それぞれの面は、透湿性のあるルーフィング、透湿性のある防水塗料にて防水処理し、防蟻は基礎断熱に防蟻断熱材パフォームガードプラスを外張りし、蟻返し板金による物理的バリアを設置、防蟻・防水・防湿シートをスラブ下に敷き込み、各所ホウ酸噴霧、ホウ酸入りコーキングにて防蟻処理してます。
今後、窓を取付、断熱気密工事に進みます。
パッシブハウス級の高性能住宅は、施工に携わるすべての方のチームワークが大切です。
いばらきパッシブハウスチームは、ベクトルを一つにし、一つ一つ丁寧に施工していきます。
お客様のご厚意で、断熱・耐震見学会を開催いたします。
10月13日(日)予定です。