「第5回持続可能な社会構築をめざすためのシンポジウム」に参加

「第5回持続可能な社会構築をめざすためのシンポジウム」に参加

「第5回持続可能な社会構築をめざすためのシンポジウム」に参加してきました。
(一社)ロングライフ・ラボ主催で毎年楽しみにしているイベントです。

通称LLLの代表理事である清水さんとは10年来のお付き合いで、パッシブハウス・ジャパンでの運営でも大変お世話になている、私の尊敬する人物の一人です。

今回の基調講演は㈱ワンプラネット・カフェ取締役のぺオ・エクベリ氏。
「環境先進国スウェーデンの事例と日本の可能性」とういうテーマでご講演いただきました。

元ジャーナリストのペレさんは、スウェーデン、日本、ザンビアに拠点を持ち、社会循環型の究極のエコ紙、バナナペーパー事業や、スウェーデンでのサスティナブル視察ツアーなどを企画し、持続可能な社会の実現のために、70か国以上の国々をまたにかけ、活動されているこれまた尊敬できる人物。

講演の中で、印象に残った言葉は、「アウトサイドイン」。
世界の問題を知る→課題解決を考える→自分でできることを実践するという流れ。
それに対して「インサイドアウト」とは、エコバックなど環境にいいとされることを始める→何のためにやっているのか?→社会は変えられるのか?・・・目的がぶれ始め、持続できなくなる、というイメージ。
自分自身や周囲を見渡してみると、後者に近いように感じる。

スウェーデンでは、子供のころより、「アウトサイドイン」の思考で教育され、どうやって社会を変えるのかを考えるトレーニングを受けているようだ。教育をはじめ、人に伝える手法としてとても有用だと感じた。
 
また、自立循環型の社会を実現するために、何が環境にいいことなのかを科学的に見極める必要があるという話も納得のいくものだった。
「サステナビリティは計らないと体重計のないダイエットと同じ」ということ。肉1㎏を生産するのにCo2 が60㎏、お米は4㎏、バナナは0.7㎏発生する、こういったことを知ると知らないとでは、行動に違いが出てくる。

家づくりにおいても、LCCMという考え方がある。ライフ・サイクル・カーボン・マイナスという意味で、建設時、運用時、廃棄時において出来るだけ省CO2に取り組み、さらに太陽光発電などを利用した再生可能エネルギーの創出により、住宅建設時のCO2排出量も含めライフサイクルを通じてのCO2の収支をマイナスにするという考え方。

建設時、どんな建材が環境性が高いのか。自然素材由来の断熱材がいいのか、化石燃料でつくる高性能な断熱材がいいのか、生産時の環境負荷を考えたとき、判断に迷うことが多い。

個人的には、運用時(生活する上でのエネルギー消費量)のエネルギーロスをできるだけ小さくし、多くのエネルギーを消費してつくられた建物が、できるだけ永く受け継がれていく(建物の寿命を延ばす)ということが、持続可能な社会実現につながると思っています。
その考えを、ペオさんにぶつけてみると、「いい考えだと思う、ただ科学的に計ることが大事」であるとアドバイスいただきました。LCCMという物差しも試してみようかな。

持続可能な社会構築のため、できることをすぐに実践・・・清水代表理事の締めの一言。企業活動としてはパッシブハウスの普及と実践、家庭では、家族に知ったことを伝えること、電力会社の切り替えなどなど。生きるモチベーションの上がった一日でした。
清水さん、ぺオさん、ありがとうございました。