ペットボトルのケミカルリサイクル工場見学

一般社団法人ロングライフ・ラボ主催、㈱JEPLAN取締役執行役員会長の岩元美智彦氏の講演付きのプレミアム見学会に参加してきました。

岩元氏は、2007年1月、日本環境設計株式会社(現:㈱JEPLAN)創業者であり、資源が循環する社会づくりを目指し、リサイクルの技術開発だけではなく、メーカーや小売店など他業種の企業とともにリサイクル統一化に取り組んでいる方で、「みんなの参加型の循環型社会ーリサイクルは世界平和ー」をテーマに、独自技術とその技術を商業ベースに乗せていく仕組みづくりの話はとても参考になりました。その取り組みの根っこにあり、現在の成功のもとは、経済を回す、co2を減らす、戦争をなくすという難しい課題を、わかりやすく、楽しく、みんなで取り組めるような仕組づくりに落とし込めた岩元氏のリーダーシップにあると感じました。

この工場は、ケミカルリサイクル技術を用いたボトルtoボトルを実現する、世界でここにしかない商用工場という特色があります。
これまでのリサイクルといえば、マテリアルリサイクルといって、回収した素材から汚れた部分を削り取り、残った部分を活用するという技術でした。年間に販売されるペットボトルは254億本、そのうちの86.9%は回収されて卵パックやカーペット、アパレル製品などにリサイクルされる。ペットボトルがペットボトルにリサイクルされるのはそのうち29%に過ぎませんでした。まして、リサイクル技術の面から何度も何度も、飲料用ペットボトルに再生するリサイクルは難しいものでした。

ケミカルリサイクルは、ペットボトルを分子レベルまで分解した後、不純物を取り除き、再び新品同様の品質に戻すことができる技術で、そのリサイクルは何度でも繰り返し再生できるところがすごい。この技術で、石油由来の原料からの製造と比べて、Co2を47%削減できるそうです。現在、さらに進化し、70%削減までできるようになるそうです。
この工場は、ペットボトルからペットボトルをつくっていますが、同様の技術で、洋服から洋服をつくる工場もあるそうです。

地下資源からつくった製品(地上資源)を、何度でも同様の製品として循環させることができる、これは、天然資源である石油(地下資源)の使用量削減、温室効果ガス(Co2)の排出抑制、さらには、ごみ自体を減らすことにもつながりますね。このような好循環を知り、賛同し、協力している自治体がたくさんあります。自分の住んでいる自治体にも薦めたいですね。

また、この技術で再生されたアパレル商品を「BRING」というブランドで販売されています。その素材は、パタゴニアやスポーツウェアメーカーでも採用されているようです。販売拠点は限られていますが、オンラインストがあるようなので皆さんお試しください。